コーリングカードをご存じでしょうか?

電話(主に国際電話)を安くかけることができるプリペイドカードのサービスです。上の写真のような物理カードの裏面に番号が書いてあります。 決められた各国の無料通話の番号に電話し、そこでコーリングカードに記載された番号をいれ、さらに掛けたい電話番号を入れると通話できるしくみです。

このように少し面倒なのですが、国際電話をすごく安くかけることができるので、以前は海外に出張する際は必ず持参していました。色々なところが発売していましたが、私はKDDIか日本テレコム(ソフトバンク)のカードを使っていました。

以前はコンビニや空港で簡単に買えたのですが、今やすっかり見なくなってしまいました(成田空港にすら売っていませんでした)。理由はおそらく手元のスマホで海外でも通信・通話が可能になり、費用面でもアプリ(Lineとか)でより安価に代替できてしまうようになったからなのでしょう。


少し調べたのですが、役目を終えたようで国内の業者はどこもサービス終了してしまっているようです。KDDIもソフトバンクもNTTもホームページすら残っていません。Amazon.co.jpや楽天で「コーリングカード」で検索してもカードゲームかロリー・ギャラガーのCDしかヒットしません。国内でまだ買えそうなのは Brastelぐらいでしょうか

Brastelも物理カードでの販売はやめてしまったようで(以前は一部のコンビニで買えたのですが)、WEBサイトでアカウント登録して、そのアカウントにコンビニ支払いでチャージする形式になっているようです。

ただ、海外ではまだ現役なところもあるらしく、Amazon.comでは販売していますし、“international calling card”で検索すれば、コーリングカード業者を発見できます。


昔からSkypeなどでインターネット経由で安価に通話する方法はありましたが、海外のホテルのWifiは追加料金が結構高く設定されているうえに、(米国の大都会のホテルですら)時々不安定になりましたし、レンタルWiFiルーターは電波が入らないところが多々ありました。

その点コーリングカードは常に安定していました。決してクオリティは高くなく、むしろ常にやや低めの位置で安定していたと言えます。利用サービスや国にもよりますが、遅延がとても大きく、ややノイジーな音声でした。でも常につながるという安心感がありました。海外出張でコーリングカードが使えずに電話できなかったという経験は一度もありません。

今は自分のスマホのローミングで、さほど高くない費用で、多くの国で安定した通信ができるようになり、安いホテルでも安定したWiFiが無料で完備されるようになりました。

私もいつにのまにかコーリングカードを持って行かなくなったのですが、コーリングカードには本当にお世話になったので、遅延の大きい通話も良い思い出として記憶されています。